大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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前回に続いて性教育に関連する書籍の紹介です。

「イラストでわかる養護学校の性教育辞典」

以下、目次
Ⅰ 授業作り事例集
1 お風呂で身体を洗おう(男子)
2 お風呂で身体を洗おう(女子)
3 正しい小便の仕方を覚えよう(男子)
4 夢精って何だろう?
5 月経になったときに
6 赤ちゃんの誕生
7 男と女の違いを考えよう
8 大人と子どもの違いを考えよう
9 人を好きになるということ
    10 楽しいデートをするために
    11 性の被害にあわないために1
    12 性の被害にあわないために2

Ⅱ 性教育を実施するために
1 「学校内に位置づける」ためには?
2 「家庭の賛同を得る」ためには?
3 「効果的な授業をする」ためには?


授業作り事例集は、どれもとても具体的。
イラストが多く使われていて、わかりやすいものになっています。

当然、特別支援学校においては、個々のお子さんに合わせてプログラムを計画する必要があるのですが、本書はそのための材料というか、取っかかりを得るために良い本だと思います。

特に印象に残ったのは、「学校内に位置づけるためには?」という章。
とても戦略的で、性教育以外にも「学校全体をうまく巻き込んでいくためのノウハウ」として参考になるのではと思いました。
  • 養護教諭と仲良くなり、協力体制をつくる
  • 養護教諭と共同で、学校の児童・生徒の性に関する実態調査を行う
  • 日常の生活指導の中で、性教育の視点を加えた個別指導を行う
  • 学活の時間を計画的に使い、学級レベルでの指導を試みる
  • 性教育について同僚と積極的にコミュニケーションをもつ
  • 性教育の教材作りを同僚に手伝ってもらう
  • 自分の授業を同僚に見てもらう
  • 性教育の研究会を学校内に発足する

ついでに自分の研究の紹介ですが、以前、保護者を対象にした調査研究を行ったことがありますので、論文のリンクを貼り付けておきます。



大久保賢一・井上雅彦・渡辺郁博(2008)自閉症児・者の性教育に対する保護者のニーズに関する調査研究.特殊教育学研究,46(1),29-38.(本文へのリンクあり)

大久保賢一・井上雅彦(2008)自閉症児・者の性的問題行動に関する保護者の意識-親の会への質問紙調査から-.発達障害研究,30(4),288-297.



イラストでわかる養護学校の性教育事典 (楽しいクラスづくりフレッシュ文庫)イラストでわかる養護学校の性教育事典 (楽しいクラスづくりフレッシュ文庫)
(1996/12)
長崎障害児への性教育を考える会

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【2011/03/10 23:17】 | 書籍紹介
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今日は本を紹介します。
「自閉症スペクトラムの少女が大人になるまで」

Twitterで教えていただいた本で、とても勉強になりました。
(紹介していただき、ありがとうございました

今、「女性を対象にした性教育」に関する原稿を頼まれていて、自分にはほとんどわからないテーマだったので、少々困っていたのですが、ネタをたくさん仕入れることができました。

私には、思春期のASDの女性を対象にした臨床経験がほとんどなく、さらにいえば、女性を対象にした「性教育」に携わった経験は全くありません。
なんせ私自身は男性なので、「女性の思春期」は全くの「未知の世界」だったのです。


以下、目次。

第1章 自閉症スペクトラムの少女についてわかっていることは?
第2章 思春期へ:予感、不安、適応、そして・・・受容?
第3章 思春期:「パパとママはあなたがここにいるって知っているの?」
     (大久保註:「ここ」とは思春期のこと)
第4章 赤い点々:生理、ナプキン、下腹部の検査
第5章 外も中も気持ちよく:自己受容と自信
第6章 思春期の社交事情:友達関係と社会的ステータス
第7章 健全なセクシュアリティ
第8章 現実社会での安全を確保する
第9章 私たちの道のり:アスペルガー症候群の少女とその母の手記


目次を見ていただくとおわかりになるかと思いますが、この本は「いわゆる性教育」(sex education)だけを扱っているのではありません。
もっと広い意味での「性」(sexuality)をベースとしながら、タイトル通り「自閉症スペクトラムの少女が大人になるまで」に必要なことが包括的に書かれています。

ところどころ、知的障害と運動障害が重い方を想定した内容も書かれている点も良いと思いました。


思春期を迎える(あるいは将来迎えるであろう)ASDの女の子に関わる方には是非読んでいただき一冊です。
特に、男性の方には勉強になる内容が盛りだくさんだと思います。



自閉症スペクトラムの少女が大人になるまで自閉症スペクトラムの少女が大人になるまで
(2010/05/28)
シャナ ニコルズ、ジーナ M モラヴチク 他

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【2011/03/08 22:36】 | 書籍紹介
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今日は本の紹介をします。

佐藤愼二(2008)通常学級の特別支援教育-今日からできる!40の提案,日本文化科学社
佐藤愼二(2010)通常学級の特別支援教育・セカンドステージ-6つの提言と実践のアイデア50,日本文化科学社

「“特別でない”特別支援教育」というキャッチフレーズをしばしば耳にするようになってきましたが、この2冊は、その理念を「具体的な配慮事項」を通して学ばせてくれるものです。

私も小学校や中学校の教育実習の事前指導を行うときに大いに参考にさせていただきました。


「セカンドステージ」の前書きから一部引用。


特別支援教育はすでにちりばめられていた観点や方法をも包括する、極めて超教科的・超領域的な理念・方法論として登場した。“障害児教育は教育の原点”といわれるが、特別支援教育は新たな社会や支援モデルを基軸とする“学校教育のグランドデザイン”を提起したと言える。


通常学級の特別支援─今日からできる! 40の提案─通常学級の特別支援─今日からできる! 40の提案─
(2008/04/01)
佐藤愼二

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通常学級の特別支援セカンドステージ―6つの提言と実践のアイデア50通常学級の特別支援セカンドステージ―6つの提言と実践のアイデア50
(2010/12/25)
佐藤 愼二

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【2011/02/18 21:09】 | 書籍紹介
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今日は本を紹介します。

北海道教育大学函館校の北村博幸先生に「いい本だよ~」と紹介していただいた本です。
著者は、私が尊敬する実践家の一人である筑波大学付属大塚特別支援学校の安部博志先生。

常に実践の最前線で悩み続けてこられた安部先生だからこそ書ける、胸に響くメッセージにたくさん出会うことができます。
「今まさに悩んでいる」先生方に是非読んでいただきたいですし、これから教師を目指す人たちにも読んで欲しいと思います。

前書きから、一部引用。

「授業改善の視点から教師が協働して特別支援教育に取り組んでいる組織は、自立してどんどん良くなっていきます。個の支援ばかりに目を奪われている組織は人手を要求します。だから、いつまでたっても自立できません。特別支援教育に無関心な組織は、愛がないから崩壊していきます。特別支援教育への取り組みが、教育を再生する鍵になると私は確信しています。」

著者の安部先生は、先日、「平成22年度文部科学大臣優秀教員表彰」の被表彰者に選ばれたようです。
おめでとうございます。

www.tsukuba.ac.jp/update/awards/20101213163629.html


発達障害の子どもの指導で悩む先生へのメッセージ―結い廻る:つながっていきましょ! (がんばれ先生シリーズ)発達障害の子どもの指導で悩む先生へのメッセージ―結い廻る:つながっていきましょ! (がんばれ先生シリーズ)
(2010/09)
安部 博志

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【2011/02/02 19:55】 | 書籍紹介
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