大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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2011年1月27日の北海道新聞朝刊に以下のような記事が・・・

・良い生活習慣 好成績に

道教委は、12日に公表した本年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)道内分の調査結果報告で、学力テスト結果と学習・生活習慣についての児童生徒、学校の回答を相関させた分析を明らかにした。朝食を毎日食べ、読書が好きな児童生徒は平均正答率が高いなどの傾向が、数字であらためて裏付けられた。(引用終わり)


記事の中では、「朝食を食べることで血糖値が上がって脳が活性化し、授業に集中できる」と書かれてありますが、これって本当にそうだと言い切れるのでしょうか?

(こういう基礎研究のデータがあれば、どなたか教えてください)
(昔、大学院の統計の授業で、朝食と成績の関係について、「疑似相関」の例として習ったような気がするのですが・・・)

そもそも、相関関係と因果関係を混同しては、問題解決の道筋を誤ることになるでしょう。

朝食→好成績という「因果関係」を立証するためには、朝食の有無や量などを実験的に操作して、学業パフォーマンスの推移の変化や差について検討することが必要になります。
(行動分析学で用いられる「一事例の実験デザイン」などが参考になります)

「良い生活習慣が大事」という結論には、経験則から同意しますけどね。


話は疑似相関のトピックからは飛んでしまうんですが…

この記事で思い出したのが、この間の行動療法学会36回大会でのトヨタインスティテュート吉村一孝部長の話。
「問題が起きたら、“なぜなぜ”を繰り返して原因を徹底的に追求する」という内容だったと思います。

で、トヨタでは5回は「なぜ?」を繰り返すべしということで、「なぜなぜ5回」という言葉があるらしいですね。

「学テの成績が悪いのはなぜ?」→「○○だから」
「○○なのはなぜ?」→「△△だから」
「△△なのはなぜ?」→「□□だから」




本当に地域の学力問題を解決しようと思ったら、「なぜなぜ5回」のようなスタンスで真相にせまり、解決のための仮説を立て、それをきちんとしたデザインで検証するというプロセスが必要になるでしょうね。




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【2011/01/19 21:53】 | 教育問題
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