大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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アスペ・エルデの会が発行しているアスペハート26巻に掲載されていた千住淳氏の連載「社会脳の発達と自閉症スペクトラム障害」から。

以下、興味深い箇所を箇条書き。
  • あくびは動物界に広く見られる行動
  • あくびは人に伝播する
  • あくびの映像を見たり、音を聞いたり、あくびについて書かれた文章を読んだり、あくびについて想像するだけでもあくびが出やすくなる
  • チンパンジーやヒヒなどの霊長類、さらにはイヌにおいてもあくびの伝播が起こる
  • 定型発達成人で共感性の高いひとほどあくびがうつりやすい
  • ところが、自閉症児にはあくびがうつりにくい (Giganti, & Esposito Ziello, 2009; Helt et al., 2010)

むかし、クイズ番組かなんかで、「あくびがうつるのは部屋の二酸化炭素の量が増えるから」という内容のことを聞いた記憶があるのですが、気のせいかな?

映像を見るだけであくびがうつるのであれば、「空気のせい」ではありませんね。

自閉症児の自発的な他者への同調傾向が弱いことについては、「相手に注意を向ける傾向の弱さから生じている二次的なもの」という一つの仮説が紹介されています。


しかし、こういった基礎的な研究は実に面白いですね。


また、「自閉症児と模倣」に関連して別のこんな研究も紹介されています。

「実験者が自閉症児のまねをした条件では、自閉症児は実験者に近づいてきたり、実験者を触ったり、笑いかけたり、やりとり遊びに加わったりといった行動がより多く見られる」 (Field, Field, Sanders, & Nadel, 2001; Tiegerman, & Primavera, 1984)


ABAの療育においても「逆模倣」なんて技が使われたりしますし、インリアルでも「ミラリング」なんて言われたりしますよね。
逆模倣については、島宗先生のブログで記事を見つけました。


このように、臨床の現場で「何となく技として成立しているもの」を基礎的な実験で裏付けていくことは、とても大切なことだと思います。




Field, T., Field, T., Sanders, C., & Nadel, J. (2001) Children with autism display more social behavior after repeated imitation sessions. Autism, 5(3), 317-323.

Giganti, F., & Esposito Ziello, M. (2009) Contagious and spontaneous yawning in autistic and typically developing children. Current Psychology Letters, 25(1).

Helt, M. S., Eigsti, I. M., Snyder, P. J., & Fein, D. A. (2010) Contagious yawning in autistic and typical development. Child Development, 81(5), 1620-1631.

Tiegerman, E., & Primavera, L. (1984) Imitation the autistic child: Facilitating communicative gaze behavior. Journal of Autism and Developmental Disorder, 14(1), 27-38.







【2011/03/02 22:58】 | 基礎研究の紹介
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