大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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先日、2月7日(月)の北海道新聞の記事

「精神疾患で休職 教育員に増加」
(以下、抜粋して引用)

うつ病などの精神疾患で休職する教職員が道内でも増えている。文部科学省によると、2009年度の道内の休職者は、360人と05年度に比べ倍増した。学級崩壊、いじめへの対応や保護者とのやりとりなど、多様なストレスに1人で向き合わざるを得ないケースが多いためだ。道教委などは早期発見に努めるが、根本的な対策は見いだせていない。
(引用終わり)


これは北海道だけの話ではなく、恐らく全国的な問題なのだと思います。

文科省の公表している統計「病気休職者数等の推移(平成12年度~平成21年度)


確かに、精神疾患による休職者数は倍増していますが、これがそのまま「事態の悪化」を示していると決めつけることはできません。
知的障害や発達障害の発生率に関する議論と同様に、「数が増えている」ことには複数の要因が考えられるからです。

1)実数が増えている
2)「診断を受けに行く人」が増えている
3)「医者が診断すること」が増えている

うーん、まだ他にあるでしょうか?
例えば、2)の「診断を受けに行く」患者が増えていることなどは、早期発見・早期治療の観点からは、むしろ望ましいとさえいえるのかもしれません。


しかし、現場で日々苦しみと闘っている先生方が大勢いることは事実であり、取り組むべき大きな課題であるといえるでしょう。

もう少し道新の記事を抜粋して引用。

・校長、教頭は教育委員会や地域などに対する「外づら」ばかり気にし、同僚も資料や報告書の作成に忙しく、悩みを打ち明けられなかった。

・「居場所がなく、トイレで時間をつぶしたこともあった。苦しいなら休めという友人の言葉に救われたが、学校でもそう言ってくれる人がいれば・・・」

・北教組は「かつては何か問題が起きても、先生同士が千絵を出し合って対応してきた。報告書などの作成、提出に追われ、先生に余裕がないことが大きい」と指摘する。

・精神科医の上野武治・北星学園大教授(精神神経学)は、「学校に限らず、職場でのコミュニケーションが悪くなると、精神疾患の発症者が増える」と指摘。「上司が心配してくれれば、それだけで安心感や信頼感が生まれる。」

(引用終わり)


キーワードは、「孤立」と「孤独」だという気がしてきました。

この間の記事で、協同学習について書きましたが、「学び合い、支え合う仕組みが必要なこと」は、そのまま教師の側にも当てはまるのではないでしょうか。

ここで思い出すのは、茅ヶ崎市立浜之郷小学校の実践です。
問題解決に近づけるための方略の1つは、「馴れ合いではない“真の同僚性”」を学校の中に作り出すことだと思います。

私は応用行動分析学と特別支援教育の研究者という立場から、これまで学校場面における問題に取り組んできました。
しかし、「ある手法が効果的だ」というエビデンスを蓄積することは、必要条件ではあるけれど、それだけでは全く十分でないことに少しずつ気づいてきました。

教員養成や研究に携わる今の立場から何ができるのか、しばらくじっくり考えてみたいと思います。


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【2011/02/15 16:29】 | 教育問題
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