大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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久しぶりのブログ更新。
ブログを書くのはいつも後回しになるので、普段から筆が遅いのですが...
今回は4月から職場が変わったこともあり、少々落ち着かずバタバタしておりました。

しかしはやいもので、北海道から関西に移ってもう3ヶ月。
少しずつ新しい生活にも慣れてきました。

さて、タイトルにありますように、先日、弘前大学で開催された行動分析学会に参加してきました。
そこでトークする機会をいただいた「インクルーシブ教育システムの構築:PBS・RTIモデルの応用と課題」というシンポジウムが、今後の実践や研究にとって重要であると思われたので、簡単ではありますが振り返っておこうと思います。

program.png

私は、教員研修を行った研究のデータをもとに以下のことをお話しさせていただきました。

①インクルーシブ教育の実現に向けて、行動分析学の知見は重要
②ただし、「行動変容のテクニック」のみが学校に伝わるのであればその意義は半減する
③重要なのは、随伴性の分析から子どもの不適応状態を理解し、「なぜ?」を考えて対応できる専門性
④これまでの研究で得られたデータからは、機能的アセスメントにおける情報収集と情報整理の「練習」だけを繰り返しても効果が薄く、「行動分析学の基礎的知識」が前提として必要であることが示唆されている
⑤しかし、行動分析学の基礎的知識を獲得するためには、時間と労力が必要
⑥「質の保証」と「普及」のジレンマとバランスをどうするか?
⑦データは「研修だけでは不十分な事例」があったことが示唆されている
⑧そのような事例に対して、どのような付加的なサポートを行えばいいのか検討しなければならない

さらに指定討論においては、以下のことを提案させていただきました。
(言い足りなかった分をちょっと補完して書きます)

①School-wide PBSやRTIにおける第一層支援(ユニバーサルな介入)、第二層支援(小グループに対する介入)は、日本ではまだまだ研究自体が少ないので、実践的な研究が必要
②第三層支援(個別支援)は既にかなりの実践例とエビデンスがあるので、今後は開発よりむしろ、それらの手続きを学校で効果的・持続的に実施するためのシステム・運用の在り方に関する検討が必要
③この領域に関心を持つ日本の研究者や実践家で、一緒にビッグマップを描き、課題とタスクを共有する必要がある。年に数回しかない学会では不十分。

特に③の動きを作るためにはやはり何らかの仕掛けが必要だと思うのですが、年内には何か具体的な一歩を踏み出せればと思います。

野口晃菜さんの米国におけるRTIのお話、馬場ちはるさんの日本の小学校における課題従事行動に対する支援のご報告は大変興味深い内容でした。

写真 (5)

特に印象深かったのは、井上先生が仰っていた「インクルージョンを進めるためには新たな強化を創出することが必要」というコメントでした。
凄く単純な例を挙げれば、例えば「困っている人を助けること」に対して、社会的な強化が随伴される環境を作るなどといったことです。

一般的な言い方をすれば、新たな「価値観」を作るということになるのでしょう。

そのように考えれば、「教師の行動」についても、「研修」(知識の伝達やスキル訓練)だけでは不十分であり、「支援行動が自発し強化される随伴性」を創出することが必要なのだと思います。
School-wide PBSで示されることの多いこの概念図は、そういうことを示しているのだなと改めて理解しました。


model.png 


後は旅の写真。
料理やリンゴは美味しく、温泉も良かったです(カプセルホテルですけど天然温泉)。

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keshiki2.jpg 
keshiki.jpg 



【2014/07/04 14:08】 | 行動分析学
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