大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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佐藤学「教育の方法」を読んでいて、とても印象深い内容がありました。

「クラスやグループにおける学習者の個性や文化の多様性が、相互の学びを豊かで確かなものにし学びにおける互恵性(reciprocity)を生み出すのです。」(P103から引用)




この本の第2章では、PISA調査の結果を引用し、上位に定着しているフィンランドの教育について紹介されています。

以下、この章で述べられているフィンランドの教育の特徴を抜粋して箇条書き。

・平等の原則が徹底されている
・学校の規模が小さく、多くの教室が複式学級
・協同的で探求的な学びが追求されている
・教師教育の質が高い(フィンランドの教師は全て修士号取得者、教育学部入学の競争率は10倍以上)

また、「エリート教育」と「大衆教育」を分離しているドイツなどの国が、フィンランドの学力に及んでいないことから、教育における「平等」と「質」が対立しないということが述べられています。


これらの事実から、とても多くのことを考えさせられます。

まず、多様な子どもが在籍する学級集団において、「ニーズのある児童生徒」を選別して分離することは、「インクルージョンの“理念”」だけではなく、「教育効果(ある個人に対する教育効果と学級全体に対する教育効果の両方)」という観点からも望ましくないのかもしれないということです。

これは特別支援教育の文脈のみならず、「習熟度別の授業」などにおいても同様の議論が成り立つのかもしれません。

もちろん佐藤(2010)の中で述べられているような、「多様性=互恵性」ということを実現させるためには、いくつもの前提条件があると思います。
しかし、その条件が明らかになれば、学級における児童生徒の多様性は、学びの阻害要因ではなく促進要因として機能するはずです。

この「協同的な学び」というテーマは、今後の特別支援教育において重要なものになると思います。


教育の方法 (放送大学叢書)教育の方法 (放送大学叢書)
(2010/07/30)
佐藤 学

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【2011/02/13 16:47】 | 教育問題
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