大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
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久しぶりのブログ更新。

このところ、「障害者権利条約」や「インクルーシブ教育」に関する文献を読んだり、講演会に参加することが多かったので、自分用のメモ代わりにまとめておきたいと思います。

現在、障害者権利条約への批准に向けて国内法の見直し作業が行われています。
そのような流れの中で、平成21年に障がい者制度改革推進会議が立ち上がり、その後、38回もの会議が重ねられました。

その成果は、第一次意見第二次意見としてまとめられています。

障がい者制度改革推進会議のHPはこちら→http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html


この「第一次意見」、「第二次意見」が出された後、特に教育に関する部分については文部科学省が精査することになり、「特別支援教育に関する特別委員会(特特委員会)」 が作られることになります。

そして、同委員会が2011年12月に「論点整理」を、そして2012年7月にこの「論点整理」を一部修正して、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を公表することになります。

ところが、障がい者制度改革推進会議が出した「第一次意見」及び「第二次意見」と特特委員会が出した「論点整理」及び「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」には本質的な「違い」があるという指摘があります(清水,2012)。



日本型インクルーシブ教育システムへの道―中教審報告のインパクト日本型インクルーシブ教育システムへの道―中教審報告のインパクト

(2012/10)
渡部 昭男

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障がい者制度推進会議の教育に関する意見は・・・
「障害の有無にかかわらず、全ての子どもは地域の小・中学校に就学し、かつ通常の学級に在籍することを原則とする」
というものです。

一方で、特特委員会の意見は・・・
「インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である」

「小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある『多様な学びの場』を用意しておくことが必要である」
というものです。

つまり、現行の特別支援教育を「『分離教育』と見なすかどうか」という点において、両者の意見は対立しているということです。

今後、この両者のすり合わせ作業が行われる段階になると思いますが、権利条約の批准に向けてどのような調整が行われ、実際の教育施策に反映されていくのか注目する必要があります。



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【2012/12/03 10:50】 | 教育問題
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