大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

8月4日に文部科学省が、平成22年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の結果を公表しました。

調査結果はこちら→クリック

今回の記事では、その中の「暴力行為」について簡単にまとめておきたいと思います。

まず、発生率から。

暴力行為発生率の推移

(図表はクリックすると大きくなります。ちょっと画質が悪いですが

「発生件数」はようやく上昇傾向が止まったものの、「発生率」を見ればやはり今年も上昇傾向です(小学校・中学校)。
「暴力行為に対して、学校はうまく対応できているとはいえない」・・・そのことを示すデータだと思います。


次に加害児童生徒に対する学校の措置状況。


措置状況
↑クリックしてください

ざっと見て気づくことは、退学、停学といった懲戒が行われているのは、高校以降であるということ。
(小学生、中学生に対する懲戒による退学、停学という処分を行うことはできません)
(中学校では、若干の「出席停止」があります)

その代わりに多いのは、「訓告」。
(表中の注2に説明あり・・・具体的に叱責とどう違うのかがよく分からなかったけど(^^;)・・・きちんと記録に残して報告をあげるということかな・・・?誰か詳しい方がおられましたら、コメントかTwitterで教えてください)


次は加害児童生徒に対する関係機関の措置状況

関係機関
↑クリックしてください


どの年代も警察のお世話になっているけれど、中学生以降は、家庭裁判所の保護的措置、少年院への入院、保護観察、自立支援施設への入所といった措置がなされていることがわかります。

一方で、小学生の「加害者」に関わりが深いのは児童相談所ですね。


最後に加害児童生徒に対する学校の対応です。

学校の対応
↑クリックしてください

やはり、指導を行う上で主要な役割を担うのは、担任の先生をはじめとする、先生方であるということが裏付けられています。

指導の内容は、「謝罪指導」、「友人関係を改善するための指導」、「ルールの徹底や規範意識を醸成するための指導」・・・

うーん、具体的には、一体どんな指導なんでしょうか??
しかし、ここがやはり問題解決に欠かすことのできないポイントになると思います。


行動マネージメントに関する研究知見は、それこそ山のようにあります。
しかし、現実はあまり良くなっていないのではないかと思わざるを得ません。

エビデンスのある支援方略を学校現場でいかに「運用」させていくかということが、検討すべき大きくて難しい課題です。

我々研究者も含め、学校教育に関わる皆がこのデータを重く受け止め、今以上に真剣に取り組んでいかなければならないと思います。

それは、何より子どもたちの育ちと学びを保障することにつながると思います。
(「被害者」の育ちと学び、そして「加害者」の育ちと学びも)

次回のエントリーは「いじめ」についてまとめようと思います。




Building Positive Behavior Support Systems in Schools: Functional Behavioral AssessmentBuilding Positive Behavior Support Systems in Schools: Functional Behavioral Assessment
(2003/01/28)
Deanne A. Crone、Robert H. Horner 他

商品詳細を見る


スポンサーサイト

【2011/08/08 20:16】 | 教育問題
トラックバック(0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。