大久保賢一@畿央大学のブログです。特別支援教育、応用行動分析学(ABA)、日々のつぶやき等。
近年、諸先輩方のご活躍の成果もあり、行動分析学に関連する本が多く出版され、私が専門にしている「特別支援教育」という領域においても、少しずつ行動分析学が知名度を得てきてきているように思います。

特に「応用行動分析学」(ABA)では、その「実用性」が重視されるので、実践的で問題解決に直結するところにニーズがあるのだと思います。

しかし、まだまだ行動分析学に対して、「アメとムチ」、「“子どもが何かをできたらシールをあげる”テクニック」などという表面的な理解に止まっていたり、「心や認知を無視している」、「人間は機械ではない」、「人間は刺激と行動だけで説明できるほど単純ではない」などという誤解に基づいた批判も多くあります。

もちろん、小難しいことは言わず、「役立てばOK」という側面もあるのだと思いますが、行動分析学に興味を持たれた方には、是非とも「徹底的行動主義」という行動分析学の本質にも触れていただきたいと思います。

行動分析学の基礎になっている「徹底的行動主義」という考え方を学ぶためには、「スキナーの心理学・応用行動分析学(ABA)の誕生」という本がオススメです。


本文から特に印象深かった一文を抜粋。


スキナーによると、認知は科学としても正当な意味を持つ。しかしながら、認知を、別の行動を説明するためのものではなく、説明されるべき行動と見なす(p46より抜粋)。

つまり、徹底的行動主義では、認知や「こころ」の存在を否定するのではなく、それもまた行動であると考えるのです。
そして、その制御変数を個体内に求めるのではなく、飽くまで環境内に探し求め、問題解決に役立たないトートロジーを避けるという姿勢を大前提にしているということだと思います。

以下、目次。


・はじめに
・B.F.スキナーという人
・スキナーの背景
・行動科学の哲学-徹底的行動主義-
・オペラント条件づけと実験行動分析
・認知について
・言語行動
・応用行動分析
・自己管理
・行動科学による理想社会の建設
・行動分析への批判
・行動分析の貢献
・スキナーの業績


行動分析学を本格的に学びたいという人、そして、「行動分析学が嫌いだ」という人に是非読んでほしい一冊です。



スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生
(2005/12)
ウィリアム・T. オドノヒュー、カイル・E. ファーガソン 他

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【2011/04/07 21:55】 | 行動分析学
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